Z.癌の摘出 (続・五回目の入院) 【 手術直前 】 − 2005.02 上旬 − 肝機能も落ち着き、GOT/GPTとも基準値になりました。 そして手術日が確定しました。 2月2日13:00〜開始で、手術時間はナント、、、5時間の予定です! 正直、5時間も腹を開けっ放しの状態を想像すると寒気がしてきましたが、 名医にやってもらうので何の心配もしていません。 田舎から父と母が上京し、カミさんと私の4人で医師から個室で説明が行われました。 説明を行ってくれる先生はチームリーダーの医師でした。 先ずは、病名と腫瘍の状態・位置確認・・・と色々と回りくどく説明されましたが、 内容は、昨年末に内科で聞いた事と何ら変わらないものでした。 両親は、初めて聞くので驚いていましたが・・・。 私が関心がある事は、すでに知っている私の状態の話ではなく、 手術後にどうなるのか?という事でした。 傷跡(斬り方)、痛みの対処方法、起き上がれるまでの日数、いつ頃の退院になるのか?・・・etc 色々と突っ込んで聞きたい事が山程ありました。 しかし、医師の話がある程度終わった頃で、父が話しをまとめだしたのです・・・(汗) 父:「名医である教授に手術をして頂けるということで、どうぞ、宜しくお願い致します!」 オイオイ!勝手に締めるなよな!!(汗) まだ何も聞いていないじゃん! 私:「すいません、まだ質問があるのです! 斬り方はどうなりますか?」 担当医師(リーダー):「L字型に斬ります。」(白板に図解で説明してくれました。) 良かった・・・、本で見た、あのカッコ悪い斬り方ではないんだ!(笑) L字型なら大胆でまだ良いな!(爆) 担当医師(リーダー):「状況によってLと言っても、少し左側に切り口を入れるかもしれませんが・・・」 私:「わかりました、あと、ドレーン(管)の数は何本入りますか?」 担当医師(リーダー):「1本です」(これも白板に図解で説明してくれた。) 1本?たったの1本??? 本には3本と書いてあり「こりゃ、管三昧になるな・・・」と 笑っていたのに。。。 本なんて意外とあてにならないもんだなぁ〜・・・。 担当医師(リーダー):「あとは鼻と膀胱に1本ずつ入りますが、2日ぐらいで取れます。」 私:「あと、術後の痛みのピークはどのぐらいでしょうか?この前、手術をされたKUさんから 『2日が山だ・・・』と聞いているのですが・・・」 担当医師(リーダー):「そうですね、2日ぐらいがピークですね。一応、痛み止めの注射もします。」 私:「それと、どのぐらいで起き上がれますか?どのくらいで退院になりますか?」 担当医師(リーダー):「人によりますが、2日後ぐらいからでしょうか? 退院は状況にもよりますが3週間後です。」 私:「寝たもの勝ちと思いますので、睡眠薬を投与して、手術後は寝かせてもらえないでしょうか?」 担当医師(リーダー):「あはは、そうですね。わかりました、薬を出しておきましょう。」 母:「退院後は、どのぐらい自宅療養が必要になりますか?」 自宅療養?いらないだろ、休みすぎだし・・・(汗) 担当医師(リーダー):「そうですね〜、人によってですが、体を使うお仕事でなければ 1週間後にでも働く方もいらっしゃいます。でも、それはちょっと早いと思います。 大体、1ヶ月〜2ヶ月ぐらい必要になりますね。何って言ったって『癌』ですから!」 ・・・ガックシ。。。_| ̄|○ そうだよな、癌なんだよな、俺・・・(苦笑) 担当医師(リーダー):「左葉、肝臓の約半分近く摘出しますが、胆嚢も取ります。」 母:「えぇ〜っ!?」 私:「ヤッタ!」(笑) 母は驚いたが、私は不謹慎にも、「ヤッタ!」と口にしてしまいました。 何故なら、胆嚢は取っても日常生活に何ら支障をきたさないと知っていたし、 今後「胆石」ができる可能性が無くなると思い、できれば取っちゃって欲しい・・・ なんて思っていたからです。 私:「胆嚢を取るという事は、今後、胆石はできないという事なんですよね!?」(笑) 担当医師(リーダー):「う〜ん、胆嚢は無くなりますが、胆管に石が詰まるという可能性が ありますが・・・、もしくは、そこに癌ができる場合もありえます。」 オイオイ、笑って「そうですね!」と言って欲しかったな。。。(汗) しかし、この先生は肝機能が上昇した時も「劇症肝炎の可能性がある・・・」だとか 結構、究極の事を言う医者だなぁ〜。。。 でも0%ではない限り、色々と最悪な状況を伝えておいた方が無難なんだろうなぁ〜。。。 担当医師(リーダー):「今までの検査で見つかった癌は1つです。しかし開けてみて、 他にも癌が見つかる場合があります。 また、見落とさない様に肝臓に直接エコーをかけて他に癌が無いか探します。 見つかった場合、取れる場所であるならば取りますが、 どうしても取るのが難しい場所にあった場合、これは教授の判断にお任せ願いたい。」 ナニ!?肝臓に直接、エコーをかける!???何と大胆な!Σ( ̄□ ̄lll) うわぁ〜、ちょっと怖いなぁ。。。 でも寝ているからいいか・・・。(笑) 私:「わかりました。」 父:「この度は、名医である教授に手術をして頂けるということで、こちらも大船に乗ったつもりで あります!どうぞ、宜しくお願い致します!」 あ、、、何もわかっていないオヤジがまたマトメ出した。。。(汗) まぁ、いいか・・・。 でも、この医師が執刀するわけでないし、手術するのはこの人の上司にあたる教授なわけだし・・・。 気を悪くしないかなぁ〜。。。 担当医師(リーダー):「・・・・・・、手前味噌ですが、正直言いまして、教授は上手いです! 出血の量が極端に少ないのですよね・・・」 ナルホド、出血の量が極端に少なく抑えれるのか! 肝臓は血の塊的な臓器なわけだし、それはイイ事聞いたな♪ 内科の先生が、『丁寧な手術をされる方』と言った意味がこれでわかったゾ! 私:「どうもありがとうございました。宜しくお願い致します。」 家族説明が終わり、全身麻酔の専門医師が私のベットにやってきて、 麻酔に関して色々と説明してくれました。 全身麻酔は、ナント、脊髄に打つらしい・・・。(汗)<痛そうだ・・・。 そして、脊髄にチューブを刺し、手術中は勿論、術後も2日程、装着されるそうです。 これが、術後の痛みをかなり緩和するとの事。 本に書いてあった話ですが、昔の開腹手術は終わってから転げまわる程、 傷口が痛むらしく大変でしたが、現在は、この全身麻酔技術の発展により、 以前より、痛みはだいぶ和らいでいるそうです・・・。 有り難い事です! 全身麻酔の説明が終わり、手術の同意書なる書類を5〜6枚程渡されました。 非常に面倒だ・・・(汗) 小さなな字で色々と書いていますが、要は手術で万が一の事があっても、 病院側は、全て責任はもてないよ!・・・みたいな事を書いているものでした。 この事について、今更ウダウダ言っても仕方がないだろ!という感じで 最初、マジメに読んでいましたが、だんだんアホらしくなってきましたので、 所定の場所にサインだけしました。 まぁ、形式的なものなのだろう。。。 すると若い医師が私のところへ慌てて?やってきました。 担当医A:「あの、家族の方はもう帰られましたか?」(汗) 私:「え!?父と母はもう帰りましたけど、カミさんはまだいると思います。 今ちょっと、どこかに行っていますけど・・・。 何でですか?」 担当医A:「先程の説明で、言い忘れた事がありまして、 どうしても家族の方同意で聞いてもらわなければならない事があるのです・・・。」 私:「何ですか?そんなに重要な事ですか???」 担当医A:「術後、稀に肝臓が劇症化する場合があるという事です。」 私:「それって、稀な事で確率的にはかなり低い話ですよね!?」 担当医A:「まぁ、そうなんですけど・・・。」 私:「いいですよ、わかりました。私の方からカミさんに伝えておきますよ。」 担当医A:「いえ、家族の方同意で聞いてもらわないと、『私が直接話しに行く!』と 教授が言うもので・・・」(汗) 私:「あははは、先生も大変ですね〜!イイですよ、伝えた事にしておきましょうよ。」(笑) 担当医A:「いえ、そうもいかないんですよ・・・。」 何だか、医者と言っても、部長に気を使うサラリーマンと一緒なだぁ〜。。。なんて思いました。 すると教授がやってきました。 私:「あ、こんばんは。」 相変わらず眼力の強い方だ・・・。(^^; 教授:「うん、家族の方にお伝えしなければならない事がありましてね・・・」 丁度その時、カミさんが帰ってきました。 教授:「あ、奥さん、一つお伝えしなければならない事がありまして・・・」 ・・・と、廊下に出て教授がカミさんに色々と伝えだしました。 何も廊下に出て小声で話さなくても・・・。(汗) 別に今更何を聞いても驚かないよ〜。(笑) カミさんが帰り消灯までの時間、とてつもなく暇になりました。。。 最後の1本でも吸っておくか!・・・とエレベーターに乗り下の喫煙所へ向かいました。 エレベーターで帰り際の婦長さんとかち合ってしまいました・・・。 婦長さん:「いよいよ明日ですね!」 私:「あ、ハイ。」<ペコリ ・・・沈黙になり、エレベーターが1階に着きました。 婦長さん:「おやすみなさい!」 私:「おやすみなさい。」<ペコリ サスガに手術前夜に「タバコを吸ってきます」・・・なんて言えねぇ〜よなぁ〜。。。(汗) でも1階に下りたということで気づいているか・・・。(笑) とうとう手術前夜までタバコを吸い続けてしまったな・・・。 術後、痰がカラむと忠告されていたけど、少しぐらい止めていた程度で 多分、そんなに変わらないでしょう!(笑) タバコを吸って色々と考えていました・・・。 今まで生きてきて色々な修羅場をくぐってきたつもりでしたが、 サスガにコレばかりは一番の修羅場というか、生き死にが賭かった人生の大一番てところかな? もしかして、このタバコが最後の1本になるかもしれない・・・。でも、死ぬときは死ぬんだし、 第一、「死ぬ・・・」という事が今の俺には全く予感しない! まぁ、寝ていれば手術は終わり、痛みも何とか薬で寝かせてもらい耐え抜こう! 少しばかりの辛抱で何とかなるでしょう! 後は運に任せるしかないな。。。 内科の主治医は、「2年間通院をしていなかったうちに癌になった・・・」、「不運」・・・とも言っていたが 私は、なるべくして癌になったのではないだろうか?・・・と、もの想いにふけっていました。 2年前の健康診断で、最初はリウマチ。 放置して、一年後の診断もリウマチ。 しかし、ナメきっている私に、リウマチの脅しだけでは何ともならないのだと、 一番恐れている「糖尿」を付けたのだろう! (神が付けたのか?誰がそうしたのかは分からないが・・・。) そして、渋々病院に行ったら、本命の肝臓がピンチであったのが発覚した。。。 この一連の出来事は、素直に反省しなければならないな・・・。 もらった命だ・・・大切にしよう! 最後の1本になるかもしれない・・・と言いながら、3本も吸ってしまいました。(汗) 部屋に戻っても相変わらず消灯時間には寝れず、寝たのは結局、いつも通りの1時過ぎでした。 【 手術 】 − 2005.02 上旬 − 2005年2月2日13時開始予定。 手術に要する時間は5時間。 朝からタバコは吸っていない・・・。 <当たり前かっ!(^^; 先ずは、何の薬かわからないが、おしりに筋肉注射をされました。 おしりを出しての注射は何十年ぶりだろうか・・・。(笑) 続いて浣腸!(汗) 内科での入院時に行った大腸検査で時前に浣腸がありましたが、その時は、 看護師にされるのが恥ずかしくて自分でやりました。 しかし今回は事情が事情だし、やってもらう事にしました。(^^; またもやT字帯を履き、白の手術用の薄手の衣装に着替えて待機。 何だか白装束みたいだ・・・。(−−; そして点滴をされて、滑車付きのベットで手術室へ転がされて行きました。。。 手術室は意外と広く、「え!?ここでやるのかな?」と思うぐらいガランとしていました。 先ずは横向きで寝て、背中を丸めるように言われました。 「ついに脊髄に注射して、全身麻酔用の管を入れられるのか・・・。」(汗) 少しビビリましたが、ちょっと押される感じがしただけで、全く痛みはありませんでした。 カテーテルといい、全身麻酔の管注入といい、かなり痛みを心配していましたが、 「え!?こんなもんなの?」と拍子抜けした感じでした。 まぁ、痛くなかったのでヨシ!としましょう。(笑) 次に、両手を真横に広げ、両足は真っ直ぐ伸ばし、仰向けに寝ます。 キリストが十字架に貼り付けされるような形です。(笑) そして点滴を打ちます。 最後に酸素マスクを口にあてられ眠りに入ります。 私:「これを吸ったら寝てしまうのですか?」 麻酔師:「いえ、これはただの酸素なんですよ。先程、腕にした点滴で眠くなるのです。」 私:「あ、そうなんですか!? このマスクをして眠るとばかり思っていました。。。」 トントン・・・(肩を叩かれる) 教授:「無事、終わりましたよ。成功です!」 私:「えっ!?あ、ありがとうございます!」(汗) えっ!?終わったの???いつの間に・・・?????? (術後に入る一泊4万円のICU(集中治療室)にいました。) 教授:「あ、起きなくても良いですからね、寝ていて下さい。」 私:「ありがとうございました!」 驚いたな!全く、意識すら無かったな・・・。(汗) あ、・・・体が動かない・・・。 ・・・寝るか・・・。 「生きてたか・・・」 |
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