DS-11  NEW YEAR


 2006年 新年を迎え 】 − 2006.01 上旬 −

新年を迎えました。
肝細胞癌摘出手術からの経過は素晴らしく良く、今のところ全く問題はありません。
順調極まりない状況で、非常に有り難い事です。
癌の原因であるB型肝炎の方も、100%ではありませんが、一応は抗体ができ、
このままの肝機能が落ち着いていさえすれば、恐れている肝硬変に進行する事も
免れる事になるかもしれません。
そうなると、癌が再発するタイミングも少しは延ばせる可能性が高いと予測されています。
しかし、いくら肝炎の状態が良くなったとしても、再発のタイミングを遅らせる可能性があると
いう事だけであって、それも推測の観点でしかありません。
一度身体の中(肝臓の中)で癌細胞が生まれてしまったからには、
肝炎がある程度良くなっても、癌の「再発」は極めて高いという事を主治医から告げられています。

この記録ページのタイトルは、『 NEW YEAR 』としています。
普通なら、『 A HAPPY NEW YEAR 』とするべきなのですが、
私はあえて『 A HAPPY 』という単語を抜いて付けました。
HAPPYでは無い・・・という事です。
癌になり、放置していれば確実に死を迎えていた者にとって、新年を迎えられた事は、
とても喜ばしい事なのですが、そこはあえて喜ばず、新年早々ではありますが、
自分が罹った癌について再度、見直してみた方が良いのではないだろうか?
・・・とその様に思うのでした。

私の場合、肝炎の治療を放置していた2年間のうちに、肝臓に癌が芽生えました。
この2年間の中でいつ癌が発生したのかは不明ですが、仮にMAXの2年前だとしても
2年間で5cm弱という腫瘍になっていたという事を考えると (ザックリとした想定ですが)、
昨年、もし、内科を受診せず、放置を継続していたとしたなら、腫瘍の大きさは7.5cmに
なっていたと予想できます。更に今年も放置し続けていたとしたならば、
サボリ年数は 計4年となり、腫瘍の大きさは、倍の10cm!となります。
癌の進行というものは、種類にもよりますが、計り知れない程、スピードが加速する場合があると
思いますので、もしかしたら、10cm以上なのかもしれません。。。
こうなったら、多分、門脈(肝臓にある大きな血管)に腫瘍が達しており、
手術は確実に無理となります。
その様な場合ですと、転移もしている事でしょうから、確実に私は何もできないまま
死を迎える事になっていたでしょう!

自らの経験により、私は、癌患者ではない健康である人には、「癌検診」を薦めます。
会社勤めの方は、毎年健康診断を行っていると思いますが、その程度の上っ面なものでは
200種類もある癌の殆どは発見できません。
発見できたとしても、レントゲンで肺癌、胃のバリウム検査で胃癌、
便の検査で大腸癌の疑いがある・・・という程度でしょう。
自営業の方で健康診断を受けられていない方は尚更の事だと思います。
私の会社では、40歳以上から人間ドックを行う事を義務ずけられています。
企業によっては、35歳以上からというところもありますが、
人間ドックも場所により検査項目が異なるかと思います。
私は36歳で癌になりました。遅くても35歳を超えたのであれば、毎年、お金はかかるかと
思いますが、癌検診なるものを受けるべきであると思います。
中には、面倒だから・・・という事に加え、「怖いから・・・」との理由で躊躇される方も
いらっしゃるでしょう。。。
しかし、その段階で発見できたら、逆に「ラッキー♪」と思い、早期で処置をすれば、
手遅れになる可能性は極力少なくなるのです。
どこにも異常が見当たらなければ、それはそれでOKな事なのです!
入院、手術、再発を発見する為の通院と、+αとなる苦痛・ストレス・不安等の事を考え、
自己に対する先行投資として発想の転換をすれば良いという事なのです!

・・・と、多くの方がそう思うでしょう!
し、しかし、癌検診(PET検査・CT等)をネットで調べたところ、その料金に驚き!(汗)
た、高すぎます!!
私のようなサラリーマンから見てですが、決して安い額ではありません。。。
私は、年に一度、癌検診は必要である!と思っておりますが、
これでは受けれません・・・。

CT・腹部エコーで再発が見つかる前に、自らPET検査で再発した癌を見つけて
早期に対策を打とうと思ったもくろみも、この料金体系によって
STOP!がかかってしまいます。
『癌は早期発見できれば大丈夫!』と言っておきながら、しっかりとした検査が、
このような料金体系であっては、お話にならないと感じます! (−−;

国の医療制度でしょうか?
何とか見直してもらい、多くの方が気軽に検査できる仕組みにして欲しいものです!
そうする事によって、現時点より、癌での死亡率が確実に減少する事に繋がると思います。





【 NHKの番組 】 − 2006.01 中旬 −

1/7と1/8、2夜にわたってNHKで癌に対する特番が放送されました。
ご覧になられた方は多いと思います。
1夜目の内容は、日本の癌医療に関して、2夜目の内容は、痛み・緩和ケアに関してでした。
多くの癌患者の皆さんが出演されおり、このサイトでもリンクをさせてもらっている
シュウさんや、MOMOさんも番組に出演されていました。
私達癌患者を代表してのご参加、ご意見、非常に敬意を表する事だと感謝しております。


以前の闘病記でも書きましたが、私は癌になりたての頃、
日本の医療は世界でも進んでいるものだと思っていました。
しかし、今回のNHKの番組を見る限り、大きな勘違いだった・・・と改めて認識しました。
「日本人は手先が器用」と昔から言われ、確かに手術の技術レベルに関しては、
世界TOPの医師もいらっしゃるし、そこのところは問題無いと思います。
しかし、医療制度そのものに関しては、日本という国は後進国である!と、
あの番組を見た人は誰でも口を揃えて言う事でしょう!

以前、日本で「癌で死ぬ人」は、3人に1人と言われいました。
多くの書籍にもその様に書かれており、
「こんなに多いのか・・・」と絶句してしまいました。
でも、NHKの番組では、
「癌で死亡する人は、2人に1人」と言っていました!(汗)
・・・増えているじゃん・・・、2人に1人は、尋常じゃない数ですよ!(汗)
本当に国が医療制度を根本的に見直さなければならないと実感しました。
それも大至急にです!

なぜ、日本の医療は、こうなってしまったのでしょうか?
外国は、YES・NOと白黒つける人種で、考え方が合理化で、結果主義で・・・という事に対して
日本は、「まぁまぁ・・・」とか、以前からの慣行で「なぁなぁ・・・」だとか、
昔ながらのやり方を重んじるだとか・・・、そういった国民性(お国柄)、しかも、
国や医療機関の間で馴れ合いもあって、気が付いたらこの様に欧米諸国と比べ
大きく差を付けられてしまった・・・という事態になったのでは?と直感で感じました。(汗)
差を付けられたからどうのこうの・・・という事では無く、患者主体としてどう今後医療制度を
変えていくか?そういった事が重要な課題であり、今後、国がしっかりと実行していかなければ
益々、お話にならない国になるのでは!?・・・等と、馬鹿な私でも分かる話だったりします。
縦割り社会・制度だから、分かっているものの、変える事ができなかった・・・。
日本の現状は、その様に思えてならないのです。
これは国というレベルであるから何とか今まで済まされて来れたのであって、
企業レベルであれば、変化に対応しきれていないという事であり、
間違いなく潰れている事でしょう。
この問題を解決するには、政治にも大きく絡んでもらわなければなりません。
高齢化問題・消費税・優勢民営化・・・色々な問題があるのでしょうが、
この2人に1人という割合で死亡者が出る癌という病気を激減させない限り、
根本的に日本の未来も無いでしょう!
私達は癌になるために生まれてきたのではない!癌になるために生きているのではない!
国・政治が、国民の事を第一に考えるというのであれば、
この問題は真っ先に改善すべき優先課題の一つであるのです!

番組の中で、癌で親族を亡くされた方が発言されていました。
「国家レベル」で何とかしないとダメだ!と。<国レベルという事にあえて拘るという事です。
今、国がだらしないので、多くの癌患者が苦しんでいます。
そこに、金儲け主義の健康食品業者がはびこり、結果、多くの癌患者が道を誤って
亡くなってしまう・・・という事実があります。
これは、国家レベルでしっかりとしたシステムが無い事で、この様な事件が多発している
という事に繋がっているというのです・・・。<全く、その通りだと思います。
そして、それに加え、非常に残念に感じた事がありました。。。
番組を見終わって、癌関係のブログやHPを回ってみると、
今回の番組を見た健康食品業者が、あるサイトの掲示板に勧誘のレスを入れていました。(汗)
これは、非常に腹立たしい事です!!


番組を見て、色々な事実が判明し、かなりの問題があると分かりましたが、
今回のNHKの番組はとても有意義なものであったと思います。
この様な番組がキッカケに、少しでも改善される事を切実に願います。
不祥事続きのNHKですが、今回の番組を見て、少しだけ見直しました(笑)





【 謎の自覚症状? 】 − 2006.01 下旬 −

実は、1月中旬より、謎の自覚症状が出ています。
・・・と言うと大げさになってしまいますが、今のところ、その症状が謎なのです。
背中の部分、丁度肝臓がある辺りが少し重く感じるのです。。。
決して激痛ではないのですが、何だか重く感じる・・・。
こんな症状は初めてで、「肝機能が悪くなったか?」と思ってしまう程でした。
よく考えてみると、肝臓が悪くなっても、この様に肝臓局部だけに症状が起こるという事は
医学的にも「?」であったりします。
肝臓が悪くなった場合の自覚症状は、「全身がダルくなる」・・・というものです。
始め、「気のせいだろう・・・」と放っておいたものの、やはり自分は肝細胞癌・再発を待つ身という
事を考えた場合、「気のせいだろう・・・」では済まされないのです。。。
「もし、肝炎が悪化していたら・・・」、「もし、肝硬変にでもなってしまっていたら・・・」、
そして「もし、肝細胞癌が再発していたら・・・」と色々と最悪な事を考えてしまいます。(汗)
3日ほど、この症状が続いていたので、会社を休み、急遽、内科に診察をする事にしました。
前回の診察で、手術後、1年近くなることから、CTを撮ってみようという事になり、
1月末にCT検査の予約を入れていました。
その結果は、2月初旬の診察で結果を聞かされる予定となっていましたが、
この肝臓局部が重いという症状が心配であるため、1月末のCT検査&2月初旬の診断結果まで
待っていられないという状況になりました。

私は、診察の時は8:30分頃病院に入り、診察券を受付に出し、血液検査(採血)を済ませ、
結果が出てから医師の診察へ・・・という流れで毎月診て貰っています。
今回も、8:30に病院に入り、受付に診察券を出しました。急遽、診察を受けるという事なので、
受付の看護師にこの症状を告げました。
私:「すいませ〜ん、毎月、定期的に診て頂いているのですが、1週間前より調子が悪いので
診ていただけないでしょうか?主治医Cにいつも診てもらっています。。。」

受付看護師:「どのような症状ですか?」
私:「背中・丁度肝臓の辺りが何だか重く感じるんですよ・・・。」
受付看護師:「う〜〜ん、肝臓という臓器は痛みを感じないのですけどね・・・?」


んな事わかっとるわい!でも、症状があるんだからわざわざ来ているんだろっ!(汗)
私:「一応、診察前に採血をしておきたいのですが・・・」
受付看護師:「医師の指示がないと採血できないのですよね・・・。
9時に医師が来ますので、聞いてみます!」

私:「宜しくお願いします。」

9時に医師が来ました。
そして私の前に何十人と診察に来ているのにも関わらず、何と私が一番に呼ばれたのでした!
「サスガ癌!超VIP待遇やんけ!」(笑)等と思い、診察室に入りました。

私:「お願いします・・・。」
主治医C:「どうされました???」
私:「実は、1週間前から背中の辺り、丁度肝臓の辺りが思いのです・・・。」
主治医C:「ちょっと、後ろを向いてもらえますか?」

(医師に背中を押される)
主治医C:「ここ、気持ちいいですかぁ???」
私:「えっ?(笑)い、いや、気持ちいいって・・・(恥)」
主治医:「(笑)いやいや、押すと感じますか?マッサージされているような気持ちよさですか?」
私:「いや、そんな、、、そんな感じはしない様な気が・・・?よく分からないです。」(汗)
主治医C:「筋肉痛って事ではないですよね?痛むのは体の中ですか?」
私:「はい、中です。。。」
主治医C:「はい、いいですよ、前を向いて下さい・・・。」
私:「あの、肝臓だけが重くなるというのは、おかしいですよね!?」
主治医C:「そうなんですよ、肝臓が悪いと普通、全身がダルくなる筈なんですよね・・・」
私:「そうですよねぇ?初めてなんです、こんな症状!今まで、肝機能が悪くなっても、
ダルいと感じた事は一度も無いのですよね・・・。」

主治医C:「数値が3桁でも体がダルいと感じ無い人は多いです。
さすがに、数値が4桁になると、ダルさを訴える人がいますけどね・・・。
う〜ん、前回の血液検査も問題ないし、この前のエコーも問題ないし・・・、
もしかして、尿管結石かもしれませんねぇ・・・」
私:「え!?そうなんですか???」
主治医C「いや、まだ分からないです。採血もしますが、一応、尿も検査しましょう!」
私:「お願いします・・・」
(診察室を出る。)

なぬ〜〜〜ぅ、尿管結石だぁ〜〜〜???
石???ま、マジかよ〜・・・。かなり痛いって聞いたことあるゾ!尿管が!!(汗)

とりあえず、サッサと採血&尿検査を済ませ、待合室に戻りました。
採血だけでも、いつもより時間が遅いことから、呼ばれるのはかなり遅いと思い、
受付看護師に確認したところ、13:30以降になるとの事でした。(滝汗)
やってらんね〜と思い、また時間になったら戻る事を告げ、病院を離れ、
近くのファミレスで朝食兼昼食をし、本を読みふけって時間を潰しました。。。

病院に戻り、診察室に呼ばれました。
主治医C:「どうぞ〜。」
私:「お願い致します。。。」
主治医C:「採血の結果ですが、GOT、GPTとも18です。」
・・・?素晴らしい結果だ!(笑)

主治医C:「尿の結果も以上無しです。あと、炎症反応も見られません!」
私:「・・・という事はな何でしょうか? 実際、今も少し重く感じています・・・。」
主治医C:「う〜ん、分からないです・・・。何だろうか・・・?」
私:「そうですよね〜・・・。まぁ、検査の結果が何ともないのは良い事なんですけど、
理由がハッキリしないと、気持ちが悪いです・・・。」

主治医C:「いずれにしても、何かあったらCTをやった時に分かりますし、
現在の検査結果を見ても、CTの検査日を前倒しにしてまでという状況でもないですし・・・。」

私:「そうですよね〜・・・、もう少し様子を見てみます。」
主治医C:「う〜ん、実は私もねぁ〜、あなたと同じ歳、いやもうちょっと上の時かな?
急に背中が痛くなった事がありましてね〜・・・、心筋梗塞かと思いましたよ・・・。
その時は、色々とあったり、タバコも吸いますのでね、なってもおかしくないのですよ。
でも、それは一時的なものだったりしたんですよね〜。知らないうちにヒネったとか、
原因がハッキリしない何かだったりしたのですよね〜。。。」
ハァ〜?何じゃ?その診断は・・・(汗)
私:「そ、それは、原因不明だったのですか!???」
主治医C:「いや、原因不明という事ではなく、色々と何かその、、、、あったんでしょうね。」
すげぇ〜、よくワカラナイ!(汗)

主治医C:「でも、もし、何か急に痛くなったりしたら、我慢しないですぐに連絡を下さい!」
主治医、変な事を言ってしまったと、サスガに我に返ったようだ・・・(笑)
私:「分かりました。 ありがとうございました。」

何だろうか・・・???
まぁ、CTの時にハッキリするな・・・。
何も無ければ良いのだけど・・・。
(といいつつ、この記録を付けている時も少し、重いような気がしています・・・汗)
少々気持ち悪いですが、1/27のCT検査、2/4の診断でハッキリします!


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