DS-15  ダメージ


【 肝機能復活! 】 − 2006.07 下旬 −

1ヵ月が経ちましたので内科に診察をしに行ってきました。
今回の血液検査の結果で、もし肝機能が悪くなっていれば、「ラミブジン」(ゼフィックス)という
HBV(B型肝炎ウイルス)を叩く抗ウイルス剤(飲み薬)を服用する治療に入るのでした。
この薬は、副作用も少なくB型肝炎患者にとっては、非常に有難い薬だと思います。
入院して副作用があるインターフェロン治療をしなくても、薬(ラミブジン)を飲むだけで気軽に
肝炎ウイルスを叩く事ができるからです♪
しかし、副作用が少ない分、大きな代償があります。
それは、飲み続けなければならない・・・という事です。(汗)
自己判断で服用を中止した場合どうなるか?というと、肝炎が悪化しちゃいます!( ̄□ ̄|||)
更に懸念される点としては、ウイルスが薬になれちゃう・・・というケースがあります。
「なれちゃう・・・」という言い方は、ちょっと幼稚すぎる言い回し方ですが、
正確に言うなれば、HBVが薬(ラミブジン)に対して抵抗力を持ち、
薬が効かなくなる・・・というケースが出てきます。
これは、人によりけりなのですが、万が一、HBVが薬に耐性を持った場合でも、
このラミブジンの服用を勝手に中止してはいけないのです。
中止したら肝機能が更に悪化してしまう事から、薬が効いていなくても
飲み続けなければならないのです・・・(−−;
また、私の場合にはあまり関係が無い副作用ですが、特に若い女性の場合、治療中に妊娠すると
その子供に悪影響が出てくる場合があるとの事です・・・。
B型肝炎患者にとって、この「ラミブジン」(ゼフックス)という薬は、
神からの救いの手的な薬でもあり、また、状況によっては悪魔の薬にもなったりするのです!
<ちょっと大袈裟ですかね?(^^;

果たして、今回、検査の結果は・・・?
基準値 GOT:13〜33 / GPT:8〜42 に対して、
4月度】 GOT:39 / GPT:66 → 5月度】 GOT:57 / GPT:128 でした。
(ちなみに、GOT・GPTは、AST・ALTとも言います。GOT・GPTは古い呼び方ですね・・・。)
今までの肝機能の数値の上昇を趨勢で判断した場合、確実に上がるものと予測しいました。
多分、GPTが300台には跳ね上がっているのだろうと・・・
(−−;


主治医C:「どうぞお入り下さい。」
私:「宜しくお願いします・・・」
主治医C:「○○教授の所には行かれましたか?」
私:「あ、ハイ、行きました。 やはり肝機能が悪くなっている事が気になると・・・」
主治医C:「あ、今回は肝機能は良くなっています。」
私:「(  ゚ ▽ ゚ ;) ヘっ???」

【6月度】 GOT:28 / GPT:43
基準値 GOT:13〜33 / GPT:8〜42


私:「あ、ありがとうございます・・・。」
これと言って特別な治療もなく様子見・・・というので「ありがとうございます」もないか・・・。
でも、惜しいなぁ〜、GPTの数値、あと-1で基準値に達していたのかぁ!(笑)
(ウイルス量の測定に関しては、外注している事から当日中には結果は出ません。)

主治医C:「まぁ、B型肝炎の場合、数値が上がったり下がったりするケースがありますからね。」
・・・と主治医がカルテを見ながら、今までの検査の経過を確認し始めました・・・。
主治医C:「あ、やはりそうですか〜、今、e抗体がありセロコンバージョンしている状況ですけど、
ウイルス量に変化がありますね〜。
3月までは、ウイルス量が極端に少なく落ち着いていたのですが、数値(GPT)が上がり出した
4月にウイルス量が増えています。そして抗体の量が80%だったものが75%に落ちています。
そして数値が更に上がった先月は、ウイルス量が少し減っています。
抗体の量はあまり変わりません。
要するに、「逆セロコンバージョン」を起こしている状態だったのですね。。。
今回、数値が下がったわけですけど、抗体の量は、今までで最も多い93%になっていますよ!」

私:「あぁ、そうですかぁ〜!てっきり300台に数値が跳ね上がっているものだと思っていました。」
主治医:「まぁ、数値が上がっても今はラミブジンという薬がありますので心配しなくてもよろしいです。
でも、飲まないに越した事はありませんので、今まで通り、ウルソ(肝機能を落ち着かせる飲み薬)を
出しておきます。また一ヵ月後に来て下さい。」
私:「ありがとうございました。」


セロコンバージョンとは、すでに D-08【抗体】 で述べていますが、再度、簡単に説明しますと、
肝炎ウイルスに対する抗体が体にでき、肝炎ウイルスを抑え、肝炎がおとなしくなるという事です。
「逆セロコンバージョン」というのは、私は今まで聞いた事がありませんでしたが、
その逆なのでしょう・・・。 ←うまく説明できなくてスイマセン(^^;
要するに、しばらくおとなしかったウイルス軍の奇襲攻撃に対して、それを迎え撃った抗体軍が、
一度は退き、ウイルス軍が優勢になろうとしたものの、また抗体軍がそれを制圧し始めた・・・
という感じなのでしょう。
そして抗体の量は今までの最高記録93%になったという事で、
抗体軍は、今回の戦いが良い経験値となり、更に強い軍隊にパワーアップしたという事なのです。
そして抗体の量が100%になった時、肝炎ウイルス軍を完全制圧できる最強の軍隊となるのです!
変な例えですけど、この方がわかりやすくないですか?(笑)
「雨降って地固まる・・・」的な感じでしょうか?


・・・とまぁ、肝炎に関しては一先ず安心して良いと思います♪

しかし、B型肝炎が良くなっても、それとは関係なく肝細胞癌が再発する確率は高い様ですから、
気を抜かず今後もしっかりと診察していかなければなりません。
私にとって、この3ヶ月間で起こった事は、再発率を高める原因の一つである「肝炎悪化」をしのぎ、
再発のリスクを一時的に回避した・・・という事になるのでしょうね。(^^;
特に治療は何もしていないわけですから、これは「自己治癒力」が働いたという事なのでしょうね。
う〜ん、難しいですけど、人間の体って不思議ですね。。。

今回の件でご心配をお掛けした皆様には、改めて御礼を申し上げます。
ご心配をお掛け致しました。
m(_ _)m






【 ストレス 】 − 2006.08 上旬 −

2週間前からでしょうか?胃の調子がかなり悪かったのです。
みぞおち(胃)の辺りが、突き上げる様な感じで痛くなりました。
「何だろう・・・?一時的なものかな?」と思い放っておきましたが、
痛み出してから1週間が経過しても改善すらせず、痛みの度合いは増す一方・・・。(汗)
「こりゃ、胃潰瘍かな?」等と思い、至急、会社を休んでいつも受診している内科に行きました。
やはり胃潰瘍の疑いが有り・・・という事で、胃薬を貰い、その1週間後にピロリ菌の有無を調べる
「呼気テスト」と「胃カメラ」をする事となりました。

以前、十二指腸潰瘍を3度経験しています。
そのうち初めの2回(2001〜2002年頃)は、ピロリ菌が原因で菌を除去する薬を飲み改善しました。
3度目は、術後、退院して間もない時期に手術の後遺症で十二指腸潰瘍になってしまいました。
この時はピロリ菌は陰性でした。
しかし、今回の胃痛は、過去3回に経験した十二指腸潰瘍とは症状が異なります。
以前経験した十二指腸潰瘍の場合、決まって空腹時に限って腰の辺りが苦しくなる・・・
といった感じで、辛くなったら何か食べれば症状は治まりました。
これは胃酸過多の状態であり、何かモノを食べる事によって中和され、痛みが治まる・・・
という事だと思いますが、今回は、空腹前・空腹後も関係なく胃が痛い!
しかも突き上げる様に痛い!!・・・という事で胃潰瘍だな!?と確信していました。

<検査当日>
8時45分より、ピロリ菌を測定する呼気テストに入り、9時30分から胃カメラの検査を行いました。
胃カメラは、今回で通算5回目になります。(^^;
5回もやれば慣れる?筈なのですが、私の場合ムリです・・・。
なので、薬(点滴)で眠らせてもらい、眠っている隙に胃カメラをやってもらう・・・という裏技で
検査をしてもらいました。
これは非常に楽です! 眠っている間に検査が終っているのですから♪(^^)
検査終了後、薬がまだ効いているので、歩行するのは危険ですので、
車椅子に座らされ、診察で呼ばれる時間までベットで運ばれました。
11過ぎ もうすぐ診察に呼ばれるという事で看護師に起こされ、待合所の椅子に
移動させられました。
しかし、全然呼ばれる気配がなかったので、我慢せず呼ばれるまでの間眠りにつきました。
12時30分頃、「○○さん、中待へどうぞ!」と看護師に呼ばれました。
その声で目が覚め、椅子から立ち2、3歩 歩いたところで不覚にも膝から崩れ落ち、
転んでしまいました!(汗) まだ薬が効いていたのでしょう。。。
「大丈夫か?コイツ?」という周りからの視線を背中に浴びながら、立ち上がりフラフラしながら
中待合室に入っていきました。(^^;
「多分、ピロリ復活で胃潰瘍なんだろうなぁ〜。。。」等と思い診察室に呼ばれました。

主治医:C「お待たせしました。」
私:「宜しくお願いしま〜す。」
主治医C:「検査の結果ですが、十二指腸潰瘍でした。」

私:「え!?十二指腸???胃が痛かったのですけど・・・。」

主治医C:「十二指腸潰瘍でも胃が痛くなる場合もありますよ。」

私:「そうなんですか・・・」

主治医C:「ピロリ菌は陰性でした。」
私:「え!?陰性という事は、ピロリ菌は居なかった・・・・という事ですか?」
主治医C:「そうです。」

私:「原因はなんですか?」

主治医C:「ストレスですね・・・。」

私:「ストレス???」

なんじゃ?そりゃ???(汗)

主治医C:「ただですね〜、今までも何度か十二指腸潰瘍になっているので、これが頻繁に
続いてしまうと、十二指腸自体が弱くなり、手術して十二指腸を切り取る事になりますよ。
まぁ、これは最悪のケースなのですけどね・・・。ですので注意して下さい!」
私:「どう注意したら良いでしょうか?」(汗)
主治医C:「う〜〜〜ん、それは難しい質問ですね〜。(汗)
そうですね〜、少しでも痛くなったら早めに処置する様にしましょう。」

私:「今回できた十二指腸潰瘍は小さかったのですか?」

主治医C:「いや、小さくは無いですよ。」

(写真を見せてもらう。)
私:「うわっ!デカっ・・・」(汗)
主治医C:「このような大きさの潰瘍が頻繁にできる様であれば良くありませんので、
今後、痛くなったら早めに来てください。」
私:「わかりました。。。」
主治医C:「では、お薬を出しておきます。薬を飲み続けてもらい、完全に治っているかどうかを
見るために後日、また胃カメラの検査をしましょう。」
私:「わかりました。 ありがとうございました。」


ストレスだと???ちょっとショックだなぁ〜。。。
自分で言うのも変ですが、私は自分自身、あまりストレスを溜め込まない人間であろうな・・・と
思っていました。<言い換えれば無頓着?(笑)
友人・会社の上司・同僚からしてみたら、「ギャハハ!お前、ストレス感じるの?」(爆)
・・・と言われる程、私は自他共に認める ストレスを溜めそうも無い人間なのです。(笑)
以前、会社の上司が先輩に・・・
「そりゃ癌になるのは残念な事だろうけど、○○(←私)でまだ良かった・・・。
もし、他の奴(部下)が癌になっていたら、復帰しても業務中に変にふさぎ込んでいる事だろう!
その時、俺はどうしていいかわからない・・・。まだ、アイツで助かったよ。。。」

・・・と、言っていたそうです。
後日、何かの話のついでに先輩から上司がその様な事を言っていたと聞かされました。
一見聞くと、「何て事を言うんだ!」と憤慨する人もいるかと思いますが、
この点に関しては自分でも変に納得するぐらいの事であり、ましてやその上司とは信頼関係も
しっかりしているので、その事を聞いても憤慨する事はなく、逆に笑ってしまう程でした。(笑)
それだけ私にとって「ストレス」とは無縁なものと言えたのです。

サラリーマンの多くは仕事上、何らかのストレスを溜め、それが原因で胃潰瘍になる方が
多いのですが、私は性格上、前向きというか、正確に言うとズボラな人間ですので、
ストレスなんか感じない方なのです。
現在、欝病が社会問題になっていますが、私は性格上、決して欝にはならないだろう!という
人間(これも皆から言われるぐらい)なのです。(笑)
<逆を言うと真面目でも無く、責任感もそれ程強くない奴とも言えますが(^^;
そんな私が、ストレスで十二指腸潰瘍になろうとは!(−−;
間違いなく仕事では無い(あったとしても人よりは限りなく少ない)と思うので、
やはり、この肝細胞癌からくる「再発」という事を考えることによって溜まったストレスなのだろうと
自分では解釈しています。

私は「自分は確実に再発するものだ!」と認識しております。
楽観的な人間ですが、癌という病だけにやはり「再発」という事は避けられない事実だと
思っています。
再発し、その時パニックにならないためにも、様々なケースでの再発を想定した上、
その時、どの様な治療法がBESTか!?を常日頃から考えています。
そのために情報収集も自分なりにはしており、気構えも十分に持っているつもりです。
自分ではかなり前向きにとらえ、対策を練っている、練り上げている・・・という感じなのですが、
今回、ストレスで十二指腸潰瘍になってしまったという事は、
身体がそれについて来てきていない!という事なのでしょうか?
知らず知らずのうちに、ここまでストレスを溜め込んでいたとは思いもよりませんでした。
決して焦っているわけではありませんが、
もう少し気楽に考えろ!
というメッセージなのかも
しれませんね。(^^;

癌になった者は、肉体的に大打撃を受けるのは当然の事、その予後においても精神面で
打撃を受けてしまう事は少なからずあるという事を、今回身をもって実証してしまいました。
そんな感じです。。。
肉体的な部分に関しては、病院・ドクターと改善に向け対処していくわけですが、
精神面に関しては(私の場合)、自分で何とかするしかない!と考えております。
当面は、9/2に行われる日本初のリレー・フォー・ライフに参加する事で、
自分の精神面を強化していこうと考えています。

もっと強い人間になりたいな。。。






【 もうすぐ リレー・フォー・ライフ! 】 − 2006.08 下旬 −

あと3日でリレー・フォー・ライフ(RFL)が開催します。
昨年、私はアメリカで行われているリレー・フォー・ライフ(RFL)という活動をTVで知り、
それを日本でも実現させようとする一人の癌患者 三浦秀昭さんを知りました。
ネット上での名前、HN(ハンドルネーム)は
シュウさんと言います。
ネット上(ブログ)で仲間を募り、それに賛同した多くの癌患者とその家族、知人らが
シュウさんのもとに集結しました。
そして「がん患者支援プロジェクト(CPSP)」が発足し、4月にプレイベントを横浜で行い、
9月2日、ついに念願のリレー・フォー・ライフが日本でも実現するのです!


私もそのスタッフとして活動してきました。
私なんかは、煩悩ダメ人間なのですけれども、シュウさんをはじめ、スタッフの皆さんは、
とても素晴らしい人達ばかりで、頭が下がる想いです。(^^;
何が素晴らしいかと言うと、皆さん、熱意を持ってこの活動を行い、
RFLの成功の為には惜しげもなく努力される方達ばかりだからです。

ネットから始まった団体ですので、情報交換は主にネットを活用して行われます。
特にメーリングリストを使った情報のやり取り・共有が盛んでした。
昨日は仕事が忙しく、一晩メールを見ないだけでも150通余りのメールが届くぐらい
皆さん熱意に溢れているのです。
実際にRFLを日本で初めて実現させるわけですから、文章のみのやり取りだけでは、
なかなか上手くいかない部分が多いのも事実です。
その為、実際にリアルの場でも会い、会議・ミーティングをしてきました。
大体、月平均1〜2回のペースといったところでしょうか。。。

あと3日!
3日後にリレー・フォー・ライフが日本で開催されるのです!
言葉は悪いですが、少ない時間で、しかも素人集団で、よくここまでこぎ着けた!!!
という感じです。
初めて行う事ですので、当日、イベントとしては少しぐらいの粗相はあるかもしれません。

しかし、
患者、その家族・知人らが、何の見返りも無く、しかも無益でこのRFLを日本で実現させる事

これに意義があるのだと感じております。
そして今までの皆の努力が、病と戦っている多くの患者や家族の支えに繋がれば最高!
と願っております。

情熱と熱意を持って行えさえすれば、かならず成功する事でしょう!










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