DS-08  体の状態


【 リセット 】 − 2005.09 中旬 −

2005年8月中旬、毎年恒例の会社の健康診断がやってきました。
実は、退院してからというもの、この時をひそかに楽しみにしていたのです♪
3月中旬に退院した時には78kgでした。
野菜中心で、炭水化物を控えめにし、ダイエットを継続していましたので、
退院してから5ヵ月経っても4kg減で体重が推移し、74kgになりました。
昨年から比べると、20kg減!と、なかなかキリが良いです。(笑)
癌にはなりましたが、結果、ダイエットを成功させたという事は、
自分にとってかなり嬉しいものでした。 <非常にアホですね・・・(^^;

会社で健康診断を受ける前に、問診表みたいなものが配られ、
今までの病暦、現在気になる症状等、書かされる箇所があります。
以前から、自分は肝炎だと申告していましたので、自分の問診表には
あらかじめ肝炎の所にチェックが入っています。
それとは別に、他にかかったことがある病気と発症時の年齢をを記入する欄があります。
私は、「これ書いたらビビるだろうな・・・」と、ほくそ笑みながら、

病名;( 肝細胞癌 ) 年齢;( 36歳 )

・・・と記入しました。
隣の席にいる先輩に、
「これ、キツイっすよね〜!」(笑)と言いながら、
その新しく記入した欄、肝細胞癌の申告の所を見せ笑ったりしていました。
健康診断の時に医師の軽い問診があるのですが、私は以前から「それは必要ないでしょう!」
と感じていました。
2〜3分の間の中、適当に聴診器をあてて、一体その人の何の病気がわかるの????
・・・と馬鹿にしていたものでした。 <改めて考えると、とんでもない人間ですね、俺って。(^^;
今回はこの問診の時に、この様になったら面白いだろうな!と想像していました。

<<<想像シーン>>>
健康診断医師:「最近、何か気になる症状等ありますか?」
と言い、聴診器をあてる準備をする。。。
私:「いえ、特にありません・・・」
と言いながら、Tシャツをまくり上げ医師に見せる。 →
 
健康診断医師:「うっ・・・、コ、コレは・・・?」Σ( ̄□ ̄lll)
<<<想像シーン 終わり>>>

・・・てな具合に健康診断の医師をからかってやろうかとも考えていました。(笑)
<我ながら悪趣味だと思います・・・。(^^;

でも、さすがに、問診表に「肝細胞癌」と書く時は少しためらいました・・・。(汗)
癌になった事を隠すつもりはありませんし、それに健康診断ですので、
正直に書いた方が身のためであると思い記入してみたものの、
こういう時というのは、改めて、「そうなんだよなぁ〜、俺って癌なんだよな・・・」
と、ふと我に返るというか、何かしんみりと考えさせられるものがあったりするのでした。。。

健康診断は、保健組合というか何かその様な団体がレントゲンの機材を搭載したバスで
会社の駐車場に乗りつけ、大会議室という会社の大きな部屋を貸切状態にし、
午前:男 / 午後:女に分けて実施するのでした。
今回も流れ的には前回と同じで、最初に、問診表と朝に採ってきたウンコを受付で提出し、
昨日の21時から何も食べていない事を申告してからスタートとなりました。
身長・体重を測り、血圧・採血・視力検査・聴力検査・眼底写真・心電図・医師との問診・
胸部レントゲン・胃のバリウム検査(これがキツイ・・・) という順番で行います。
身長、体重は、その場で各自が持っている検査表に記入されます。
気になる体重は・・・、74.0kg! とりあえず、ホッとしました。
そこには、昨年測った体重もあらかじめ記入されているので20kg減というのがわかります。
私は、隣に来た太っている同期に、
私:「どうよ、これ!?」
と、体重の書いた紙を見せびらかしました。
太った同期:「うわっ、そんなに痩せたの?凄いな!どうやったらそんなに痩せられるの???」
私:「君とは努力の差が違うのだよ、努力の差がっっ!!」

・・・と、冗談を言いながら、からかってやったものでした。(笑)
まぁ、正直言うと癌で手術して痩せたんですけどね・・・。(苦笑)

気になる医師との問診の前に心電図があります。
そうか、上半身裸になるんだったな・・・、これで腹の傷がバレるな・・・(笑)
等と思い心電図を受けました。
検査員は、私の腹を見ても驚く表情を見せず、たんたんと検査をしていました。
考えてみたらそうだよな、ここの健康診断の団体、うちの会社だけではなく、
他の会社でも同じく健康診断を行っているので、手術して傷があるオヤジの腹なんか、
なんぼでも見ているんだよな、どうって事ナシなんだよな・・・。(笑)

そして気になる問診タイムがやってきました!(笑)
いつもは、オヤジか若い医師なのですが、今回は女の人というか、おばちゃんです。
私:「宜しくお願いします・・・。」
おばちゃん医師:「えっ〜っと
、B型肝炎なんですね。定期的に通院していますよね?」

私:「はい、してます。」
おばちゃん医師:「肝炎の方は、特に異常は無いですか?」
あ、そうきたか! 筋書きが狂ったな・・・。まぁ、いいや。(笑)
私:「・・・う〜ん、異常はあったのですけど・・・、受付で提出した問診表に書いているのですが・・・。」

おばちゃん医師:「えっ?受付から回って来ていないですけど、何か?」
私:「えっとですね・・・、2月に手術しました。」
おばちゃん医師:「えっ?どうしてですか?」
私:「肝細胞癌になりました。左葉、肝臓の約半分をとりました・・・。」
おばちゃん医師:「あ、そうなんですか・・・。
と、何だか落ち込んだ様に言ってきた。
オイオイ、何であんたが落ち込むねん!(汗)
そんな感じで、腹を見せ聴診器をあてられました。
人の良さそうなおばちゃんでしたが、やはり無理です。。。
聴診器をあてられている時に、どうも「無駄な時間だなぁ〜・・・」と感じてしまうのでした。。。

1ヵ月経った9月中旬、健康診断の結果が返ってきました!
ウイルス肝炎 HBs抗原が「+」(肝炎なので、毎回 出ています。)であったものの、
他は、オールクリア!!全て基準値です!
昨年引っかかっていた血糖・リウマチ反応も異常はありません。
血糖値は、痩せれたので基準値に戻っていました。
70〜109が基準値で、昨年は128、今回は107です。これが一番ホッとしました。
他、中性脂肪も半分に減りました。
痩せるという事は、成人病対策に大きく繋がるのだと改めて認識したのでした。
しかし、リウマチ反応は一体、何だったのでしょうか? 2年連続で出ていたのに・・・。

やはりこのリウマチ反応は、「お前は癌だ!早く病院に行け!この馬鹿者がっ!」みたいな、
何かの啓示・お告げ?的なものだったのでしょうか??? (^^;

癌という大きな傷跡が私の体に付いたものの、他は全て健康?というか、
健康診断上、見た目は健康な状態なのです。。。
肝細胞癌のタネは肝臓に潜み、再発の準備をしているかもしれないものの、
今は健康体!・・・何とも言えない、不思議な気分です。。。

何だか、癌で手術して体が『リセット』された気分です。





【 抗 体 】 − 2005.10 中旬 −

サボらず、毎月、内科に行っています。昔は、採血の結果に時間がかかり、
1ヶ月前に採った血の検査結果をもとに受診していましたが、
今は、朝一に血を採って、それから2時間ぐらい待ちますが、その検査結果を見ながら
受診するという流れに変わっています。

主治医C:「GOT・GPTとも問題ありません。ウイルスも落ち着いていますね、e抗体も+ですし・・・。」
私:「そうですか・・・。 えっ!???何ですって???」

聞き逃しませんでした!e抗体「+」という、その言葉を!!!
私:「抗体がプラス?という事は、抗体ができているのですか???」
主治医C:「あ、+ですね、本当ですね、抗体があります。現時点で70%です。」
今まで、全然できなかった抗体・・・、それがついにできたのです!
過去、インターフェロンで神経をおかしくされてまでもナカナカできなかった抗体、
諦めていた抗体がついにできたのです!!!
・・・それにしても、何だよ、この医者はボケボケだな・・・。(汗)

私:「今まで、なかなかできなかったのですけど、いつ頃から出来ているのですか?
手術後ですか?肝臓を斬った後にできたのですか?」
主治医C:「いや、君ねぇ〜、いくら何でも切ったからと言って抗体ができるのは有り得ないよ。」
いやいや、そんな事言われなくても分かっているよ!(汗)
主治医C:「そもそも、肝臓を切ったのは別の目的であってねぇ〜・・・」

・・・と言いながら、過去を逆のぼりながらカルテをチェックする・・・。
主治医C:「あ、本当だ・・・、手術後の採血から抗体が陽性になっていますね!
こんな事ってあるんだ・・・。。。」
・・・・・・大丈夫かな・・・、この医者。。。(−−;
主治医C:「う〜ん、珍しいですね。これは、セロコンバージョンが始まっていると見て良いでしょう!」
私:「ありがとうございました。」

やった!ついにセロコンバージョンしたぞっ!!!!!

セロコンバージョンとは簡単に言うと、肝炎ウイルス(抗原)があるのに対し、
その抗原をやっつける抗体ができ、肝炎ウイルスを抑えるというものです。
B型肝炎患者は、先ず、この抗体を自分の体の中に作り出す事を目標とします。
セロコンバージョンさせる為に通院していると言っても過言ではないのです。
但し、この抗体ができたからと言って安心できず、この抗体が100%ではないと、
完全とは言い切れません。
セロコンバージョンしたからと言っても肝炎を再発する人も多いようですので、
やはり定期的な検診は欠かせません。

う〜ん、しかし、これは珍しい事なのかなぁ〜。。。
確かに、癌があったから肝臓を斬ったのだし、斬ったからと言って抗体ができるだなんて
有り得ない話だな・・・。
奇跡か? それとも、何か見えない力が働いたのか!??(笑)
手術して、何かの変化により抗体ができる方向に向かったという事も無きにしもあらずだな!?
新しい事例になるのかな!? う〜ん、これがもし、凄い事だとしたら、
あの医者に学会のでのネタ(自分の手柄)にされちゃうのかな・・・(汗)
過去、インターフェロンで自殺企図を企てるわ、
肝癌を摘出して抗体がボコっと できちゃうわで、
もしかして俺っていう患者は、貴重なデータ的キーパーソンなのかも知れんなっ!(笑)

一ヵ月後の受診にて・・・

私:「抗体、どうなっていますか?」
主治医C:「あまり変わらないですが、少しだけ高くなっていますね。72%です。
まぁ、でも、これは手術とは全く関係ないでしょう!今までそんな前例は聞いた事ありませんし・・・。」
ナニ?前例が無いからって、何で言い切るんだ!?
そんなんで、いいのか!???



・・・まぁ、いいか。。。(笑)





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